夏の怪談 #4
- 2011年 7月 24日
- カテゴリー : パラノーマル(心霊現象) . ミステリー Zoooone . 都市伝説
- 投稿者 : Soogie
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工事をすると人骨がザクザク出てくる筆者の友人や先輩は、なぜか千葉県のM市出身や在住の人が多かったのです。
そのせいもあり、20代の頃は、よくM市に遊びに行ったりしていました。

そんなときに友人から聞いたのが「馬●のあたりは、工事をすると人骨が必ず出てくる」という話でした。
理由までは思い出せないのですが、戦争当時に空襲があってかなりの被害が出たからということだったと思います。
そんな曰くもあるM市でのお話です。
これは、筆者が、広告の仕事をしているなかで知り合って仲良くなった、江戸時代、遊郭だった日本家屋
Iさんというカメラマンが体験した話です。
Iさんは、ひょんなことから、千葉県M市に“江戸時代、遊郭だった建物が関東で唯一残っている”という話を聞いたのだそうです。
それはおもしろそうだと思い、早速、ロケハンしてみると、寂れていますが、とても立派な風情のある日本家屋が確かに残っているです。「中を撮影したい!」と思い、持ち主を捜したのですが、所有者や相続した人がおらず、M市が管理しているといいます。
そこでM市役所で担当の部署に「中を撮影させてほしい」とお願いしてみるとすぐにOKが出たそうです。
そこで、付き合いのあった出版社と相談し、週刊誌でちょっとした特集をしようということになりました。
そして撮影の日、編集者やライターさんも伴い、いよいよ遊郭の中に突入です!
さすがに中はホコリだらけだったりしますが、入り口には楓の一枚板で作った衝立がバーンッとあったり、随所にかなりのお金をかけた跡が感じられる建物だったそうです。
市役所の担当者の話によると、もともと東京の木場で材木問屋を営んで成功した旦那さんが経営してたらしく、建物もかなりこだわって作らせたということでした。とにかく、中の造形や雰囲気がすばらしくて、まるで映画のセットみたいだったらしく、Iさんはもちろん、編集者もライターも大喜びだったそうです。

ようやく全てのカットを撮り終えたところで、「せっかくだから記念撮影でも」ということになった一行。一番、大きなお座敷で記念撮影をして、その日は解散しました。
数日後、あがってきたポジをチェックしていたIさん。今みたいにデジカメで撮影して、パソコンでチェックという時代ではありませんから、ルーペを使って一枚ずつチェック。
編集部に渡す写真を選んで、ふと、全員で撮った記念撮影を見たのだそうです。すると・・・そこに、どう考えても変なモノが写っていたのです。

それは、記念撮影の面々が写っている片隅に、一つだけ残っていた姿見の鏡が写っていたのですが、
そこから、一本の白い手が記念撮影をしている人たちに向かって伸びていたのです!!!

ルーペで確認してみると女性の手のように見えます。
それまで、プロとして心霊写真なんて信じていなかったIさん。
ですが、その写真を見てからは考えが変わったそうです。

もちろん、その写真は週刊誌では掲載しませんでした。
遊郭の解体工事が始まったのだが・・・
それから数週間後、その週刊誌の記事が好評だったらしく、古い日本家屋などを集めて別冊を作ることになったのだそうです。
屋内の写真や記事は十分にありましたが、今度は、その遊郭を解体するというので、その現場を撮影して、関東最後の遊郭の最期までを掲載しようという企画になりました。そこでIさんは、解体当日、ショベルカーで解体業者が壊すところを撮影していたのだそうです。
すると、中庭のあたりを解体し始めたとたん、なぜか建物がショベルカーに向かって倒れてきたのです!
バーーーーンッ!!!
ものすごい音とともにショベルカーは、瓦礫に埋もれてしまいました。驚いたIさん。
操作していた人を助け出そうと瓦礫に近づくと、中からおじさんが自力で脱出してきました。
するとおじさんは「兄ちゃん、あんた最初っから見てたのか?」とIさんに尋ねました。
「はあ、最初からいましたけど」そう答えると、おじさんは中庭を指さしてこう言ったのです。
「神主さんが、あの井戸をお祓いしてたか?」
そんな様子は見ていなかったIさんが「いや、そんなことはしていなかった」と答えると、おじさんは
「だめだ、だめだ、そんなんじゃ解体なんてできねえや!」と言って、怒って帰ろうとしたのです。

Iさんが事情を聞いてみると、さっきちょうど井戸をショベルカーで壊そうとしていたところ、急に建物が崩れてきたというのです。
おじさん曰く、「井戸がある建物を解体するときは、必ず井戸をお祓いするんだ」と言って立ち去ったのだそうです。
後日、近所のお年寄りを取材したライターさんから聞いたのだそうですが、遊郭では借金のカタに無理矢理遊女にさせられて、それを苦に井戸に身を投げて自殺した女性もいたのだそうです。
遊郭自体も江戸から明治に移る中で廃れてしまい、なおかつ経営者の材木問屋の旦那さんに子供が恵まれず、家に次々と不幸が起こってしまい所有者がいなくなったのだと言います。
鏡から出てきたのは、遊女の手だったのでしょうか?
そして、眠りを妨げる解体業者に「うるさい!」と抗議したのでしょうか?
「その場所ってどうなったんですか?」そう筆者が尋ねると「さあ・・・市が管理していたから、市営住宅にでもなったんじゃないかな」Iさんはそう答えました。
千葉県M市にお住まいの方、あなたの住んでいる場所で心霊現象は起きていませんか?
Zooooneでは、読者の方からの怪談話をお待ちしております。「どこかに残っているハズなんだけどね、記念撮影のポジ」そう言ってたIさん、見つかったらぜひ、投稿してください!
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