若気の至りの夏
お恥ずかしい話ですが、筆者も完全なるフリーター(というより無職)だった時期が、2回あります。
これは、その1回目、筆者が18歳の時に体験した話です。
高校卒業時に唯一人、進路を決めていなかった筆者。
誕生日が3月ということもあり、自動車免許を取るのが遅くなったことをいいことに、6月頃まで実家でブラブラと過ごしていたときのことです。

そんなうちに夏になってしまい、大学に進学していた友達が帰省してきたりすると、親に内緒で購入したバイクを乗り回したり、友達の車でドライブしたりと、ついつい誘いに乗って遊び回ってしまう毎日。

昼間はのどかで風光明媚な場所です。

そんなある晩、筆者は友達のN、O、Fの4人で麻雀をしていたのですが、夜中になって飽きてきてしまい、ドライブに行こうということになりました。

特にどこか行く当てもなく、ただ何となく走っていたのですが、突然、運転していたNが、「Mダムに行こう」と言いだしたのです。
「あんなとこ何があるんだよ」Oが、そう聞くと
「あそこ、心霊スポットなんだぜ。この前も自殺者が出て、新聞に出てたし。地元だと有名らしいぜ」と言うのです。
「おもしろそうじゃん!」全員一致でMダムに行くことになりました。
しかしMダムは、農業用の小さなダム。何があるわけでもなく、特に恐いこともなかったので、筆者たちは「つまんねーっ!」と口を揃えて言いました。
するとFが、「そう言えば、前に部活の合宿で行った山中湖の湖畔に、出るっていう洋館があるんだけど、行ってみないか?」と言いだしたのです。
「おぉっ!行こう行こう!!」全員一致で山中湖へ向かうことになりました。

夜の山道を爆走して山中湖に着いたのが午前2時頃。ちょうど良い時間です。ga-n03.gif

「確かこの辺なんだけどな・・・」夏の別荘地とはいえ、夜中に走っている車もなく、もちろん人影もありません。
やがて、暗い森を越えたところに、突然、その洋館は現れました。
「おぉーっ雰囲気あるーーー!」思わず筆者は口に出してしまいました。

暗闇に浮かび上がった洋館(イメージ)

何せ、庭には雑草が生い茂り、そこから白い天使の像がニョキっと立っていたり、荒れ果てたガレージや別荘の雰囲気が、まるでホラー映画のセットのようなのです。w03.gif

筆者たちは「恐えーーーーっ!!!」とか言いながら、洋館の周りを散策しました。
しかし、しっかりした門や柵は施錠されていて、中に入ることはできません。
そのうちにOが、指を指してこう言いました
「おい、あの部屋変じゃないか?」
Oが指さす部屋を見るとその部屋だけ窓に鉄格子が付けられています。
別の方角の窓も同じように鉄格子が・・・するとFが
「この別荘の持ち主って、東京のお金持ちらしいんだけどさ、その娘さんが突然おかしくなっちゃったんで、世間体もあってこの別荘に座敷牢を作って閉じ込めたらしいんだよ。でも、その娘さんが奇声を上げたり暴れたりするんで、この辺でも噂になって・・・とうとう、お父さんが娘さんを殺しちゃったって噂なんだよ」と言うのです。
「本当かよ、座敷牢かどうか見てこようぜ」そう言うと、当時、恐いもの知らずだった筆者は、柵を乗り越えて屋敷に入ろうとしました。
その瞬間、“ガタガタガタガタッ!”と、まるで誰かが鉄格子を掴んで、もの凄い勢いで揺さぶっているような音を全員が聞いたのです。hanaji02.gif
「ヤバイ!ヤバイ!!絶対ヤバイって、Soogie逃げるぞ!!!」駆け出すO、N、Fの3人。
さすがに筆者も恐くなり、急いで車に乗り込みました。
「よく、こういう時って、幽霊が追いかけてくるって言うよな・・・」運転してたNがバックミラーを見ながら呟きました。
しかし、何かが追いかけてくるようなことはありませんでした。
その日は、Nの家に全員が泊まり、戦々恐々としながら朝を迎えました。
まあ結局、何事も起こらなかったので、全員安心して解散したのですが。

それから2週間ぐらいたったある日

夏本番になり、ふと筆者はプールへ涼みに行こうと思い、水着やバスタオルをバッグに詰めて、バイクで出かけました。
その途中、いつも通るコーナーに差し掛かったとき、急に白い影が飛び出してきたのです。
とっさに筆者はハンドルを切ったのですが、それは側溝のある方向でした。
かなりスピードが出ていたこともあり、バイクと共に側溝に落ちた筆者は、さらにそこから弾かれてバイクと共に道路に投げ出されてしまいました。
その事故でバイクは、ローンをほぼ全額残して全損してしまいました。naku01.gif

あくまでもイメージです!

かなり酷い事故だったのですが、偶然、腰から落ちたときにバスタオルやら水着が入ったバッグがクッションになったのです!

それがなかったら、下半身不随になっていたかもしれません。
筆者の怪我は、バイクから投げ出されたときに負傷したと思われる、左手の指と右足の指を骨折。
それでも暑い盛りにギブスをするのは苦痛でした。

1週間後、N、O、Fの三人がお見舞いに来てくれました。

「Soogie大丈夫か?」
しかし、彼らの姿を見て筆者は驚きました。hatena03.gif
Nは手足が包帯でグルグル巻き。
OとFは首にコルセットを巻いているじゃありませんか!
「大丈夫かじゃねえよ!お前らこそどうしたんだよ!!」
すると、三人はこう言いました。
ちょうど筆者が事故を起こした日に、Nはバイクでコケて全身を擦り剥き、OとFはドライブ中にオカマを掘られたというのです。
偶然なのか、それとも何かの因縁なのかということになり、筆者は、事故の原因となった白い影の話をしました。
すると、それを聞いたNがポツリと言いました。
「この前、山中湖の洋館に行ったときなんだけど・・・オレ、恐くて黙ってたんだけど、Soogieが柵を乗り越えようとしたとき、座敷牢の部屋に白い人影が見えたんだよ」
するとOとFも「お前もか!」と同時に言ったのです。
どうやら霊感ゼロの筆者以外の3人は、

座敷牢の部屋に髪の毛の長い女性らしき

白い人影が見えたと言うのです。

筆者はこの事件以降、心霊スポットには行かないようにしていますga-n01.gif

あまり涼しくならなかったでしょうか?

Zooooneでは、読者の方からの心霊スポットでの怪奇現象などの情報をお待ちしています。

 

 

 

 

 

あくまでもイメージですから!!!