夏の怪談 #1
- 2011年 7月 13日
- カテゴリー : パラノーマル(心霊現象) . ミステリー Zoooone . 都市伝説
- 投稿者 : Soogie
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怪談で涼しくなれるのか?「この夏は、ホラー映画や怪談で涼しくなりましょう」先般の震災以来、省エネが今年のキーワードとして定着しているせいか、こんな話題をテレビでよく見かけるようになりました。まあ、毎年恒例ではありますが

と、言うわけで、筆者も本当にあった恐い話を一発。
これは、筆者の後輩Sが体験した話です。アパートの床(東京都M市)
実家を出て彼女と同棲を始めたS。
とはいえ、まだ20代前半だった彼は、格安だった築20年ぐらいの古いアパートを借りました。同棲開始から半年ほどが経ったある日、彼女と待ち合わせてアパートに帰る事になったのですが、彼女が金物屋さんで買い物をしたいと言い出しました。
「何買ったんだよ?」店から出てきた彼女にSが聞いてみると、
「ヤスリ」彼女は、そう言って小型の棒ヤスリを見せたのです。「ふーん」Sは、気にもせず、彼女と手をつないでアパートに帰りました。
実は、その頃からSは、部屋にいると誰かに見られているような気がして落ち着かなくなり始めたのです。しかし、彼女を怖がらせてしまうと思いだまっていたそうです。

そんなことがしばらく続いたある日。その日も彼女と待ち合わせて帰る事になったのですが、また彼女が金物屋さんで買い物をしたいと言いました。
「今度は、何買ったんだよ」給料日いうこともあり、Sは気になって尋ねました。「ヤスリ」彼女は、また同じものを買ったのです。
「この前、買ったばっかりじゃねぇかよ」
「そうなんだけどさ、部屋に持って帰って朝起きると、いつも無くなってるんだよね・・・」
「いつも?」
「実は最近、毎日買ってるんだ・・・」
「毎日!?それが、無くなんのか?だいたいヤスリなんか何に使ってんだよ!」Sが声を荒げると彼女は、「わかんない」と言ってすねてしまいました。
部屋に帰ると彼女は、キッチンのテーブルの上にヤスリを置きました。
「ここに置いたでしょ、でも朝起きると無くなってるの」
Sは信じられなかったのですが、ともかく新品のヤスリを置いたまま、その日は寝ることにしました。
翌朝、彼女より早く目を覚ましたS。早速テーブルの上を見ると、確かにヤスリが無くなっています。
テーブルの下にも落ちていませんし、他の場所にもありません。
「おかしいなぁ、ホントに無くなったぞ」

起きてきた彼女は、これが毎日続いていると言うのです。
その晩、いつもより早く帰宅したS。
まだ彼女は帰ってきていないらしく、部屋には電気が点いていませんでした。しかし部屋に入り、電気を付けようとした瞬間、人の気配がしたのです。
キッチンを見ると、誰かが蹲っています。
「おい、電気ぐらい点けろよ」彼女だと思ったSがそう声をかけると、人影はゆっくりと立ち上がったのです。
「ガチャッ!」ちょうど、そこへ玄関が開き、彼女が帰ってきました。

「何で、こんなとこに突っ立ってんのよ」笑いながら部屋に上がろうとした彼女も人影に気づき小さく悲鳴を上げたのです。
すると、その人影が、ものすごい勢いで二人の方に飛んできたのです!
近づいてくる人影は、服装は若者のようなのですが、顔が崩れ始めて人相がまったくわからない髪の長い女性でした。
女性が掴み掛かるぐらい近くまで来た瞬間、二人は、悲鳴を上げながら気絶してしまいました。
しばらくして目を覚ましたS。急いで彼女を起こすと、近くに住む友達の家に転がり込みました。
翌日、二人は不動産屋に行き、別の部屋に引っ越す契約をしました。不動産屋も「ああ、そうですか」ぐらいで、何も聞かずに敷金を全額返してくれたそうです。
恐いので、明るいうちに引っ越してしまおうと荷物をまとめ始めた二人。
大して荷物もなかった二人は、すぐに荷造りをして、レンタカーに積み込みました。
そして、Sがキッチンに敷いていたカーペットを剥がしてみると、なぜか一カ所だけ床がこんもりと盛り上がっている所を見つけたのです。
しかもそのまわりには、棒ヤスリが散乱しており、盛り上がっている部分を削ろうとした跡が残っています。
彼女を呼ぶと「えーっ、あたしこれを夜な夜な削ろうとしてたのかな?」と不思議そうに言いました。
「おまえ、夢遊病の気があるんじゃない?それとも普段、ここが盛り上がっているのが気になってしかたなかったのか?」Sは、そう言いつつも、なぜ床が盛り上がっているのかが気になってしかたありません。
なぜならその場所は、ちょうどあの幽霊が蹲っていたあたりだったのです。
そこで、落ちているヤスリで床を少し剥がしてみました。
するとそこから、
長い女性の髪の毛が湧き出るように現れ、
白骨化した頭蓋骨が見えたのです。
驚いた二人は、すぐに警察に連絡をしました。後日、担当した刑事さんから、こんな話を聞きました。
数年前、この部屋に住んでいた女子大生が行方不明になったのだそうです。
ところが、事件の可能性はありながらも、死体などが見つからなかったため、誰からも忘れ去られてしまったそうです。
しかし、今回の発見により凶器から指紋が検出され、当時、隣に住んでいた大工の男が逮捕されたのだそうです。
この事件は当時、新聞でも取り上げられたといいます。
ところで、あなたの住んでいる部屋の床は、盛り上がったりしていませんか?
Zooooneでは、読者の方からのちょっと涼しくなる恐い話をお待ちしてます。
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